陶器、磁器の違いとは?知ればもっと楽しくなる。

今回はタイトルの通り、知っているようで知らない。でも知っていると役に立つ!陶器と磁器の違いを理解して「器」をより楽しもうをテーマで話をしていきたいと思います。

私達が普段つかっている食器には陶器と磁器があり、ひと目では見分けがつきにくいものもあります。
本来は長く使える器も使い方やお手入れの方法を知らないと気付いた時には欠けていたり、油シミがとれなかったり・・・
そんな悲しい思いはしたくないですよね。
今回のお話で陶器、磁器それぞれの特長を知って器を育てながら長く楽しく使っていきましょう。

目次

素朴な土味が魅力 陶器の特長とは?

信楽焼のたぬき


OQRU STORE のある滋賀県には信楽焼で有名な陶器の産地、甲賀市信楽があります。
信楽では古琵琶湖層といわれる地層から良質の粘土が取れること、都のあった奈良や京都に近いことから古くから陶器の産地として発展してきました。
信楽の他にも瀬戸焼、備前焼、萩焼など古くからある焼物の産地は陶器を製造していることが多いようです。
また陶器は粘土を主成分とするため陶器は「土もの」と呼ばれたりします。

陶器の特長は粘土分を多く含む陶土を原料とし焼成温度は850〜1250度と磁器に比べて低いことです。また、表面に空気の穴がたくさん空いており、気孔質で表面はザラザラしています。
器に空気を多く含むことで熱伝導が低くなっており、その結果温まりにくく、冷めにくくなっているのも特長の一つで、その性質を利用してつくられる土鍋などがあります。
また磁器に比べて厚めに作られているものも多いため、直接持ってもあまり熱さを感じずにいられるようです。

陶器には食洗器、電子レンジが使用できないものもありますので注意が必要です。
中には直火やオーブンでも使用できるものもありますので、ご購入、ご使用前にご確認されることをおすすめします。

絵付けや細かな細工が魅力 磁器の特長


陶器も磁器も基本的には珪石・長石・粘土を混ぜて作ります。
珪石はガラスの成分を持っており、高温で焼くことでガラス質に変化します。長石は焼成時に珪石と結びつくことで、固く透明感のある質感になります。

磁器は磁器土を原料とし、珪石、長石の割合が陶器より多くなっています。

焼成温度は約1200〜1400度と高く、長時間焼くことでガラス質に変化し、薄くても強度の高い器になります。また陶器に比べて薄いものが多いのも特長です。
薄くて熱伝導がよくすぐ器に熱が伝わるためティーカップのような磁器製品には取っ手がついているんですね。
また磁器の素地は高密度で水分を吸収しにくく、汚れに強い特長があります。
有名な産地は有田焼、伊万里焼、清水焼、九谷焼などがあり、原材料が石を主成分とすることから「石もの」と呼ばれたりします。

磁器は食洗器、電子レンジが使えるものが多く比較的取り扱いやすい印象があります。
上絵、金彩とよばれる絵付けが施してあるものは食洗器や電子レンジが使えないものもありますのでご注意ください。

陶器、磁器の違いと見分け方

・磁器は光を通し、陶器は通さない
・磁器は叩くとキーンという高い音が出て陶器は鈍い音がします
・高台の底をさわると磁器はツルツルで滑らか、陶器はザラザラしています。
・磁器は比較的薄く、陶器は厚いものが多いです。

磁器見本2 アラビア
磁器の多くはひっくり返した時に縁のまわり(高台)が白いのが特徴
陶器見本1
ざらっとした質感が陶器の最大の特徴


陶器も磁器も釉薬(ガラス質のコーティング)がかかっていると意外に見分けがつかないものも多いです。
最近では陶器も磁器も生産されている産地もたくさんありますのでこの産地だから陶器、磁器みたいな判断はできない場合もあります。
また半磁器といって陶器、磁器の両方の特長を兼ね備えた器もあります。半磁器は見た目ではほぼ判断できません。
気になる方は購入される際にスタッフさんに確認されるのが一番かと思います。

陶器、磁器 それぞれの扱い方

磁器は上記の特長の通り、固く吸水性も少ない上に電子レンジも食洗機もいけるものが多いので取り扱いやすいといえます。
一方の陶器は磁器に比べ、吸水性があって磁器より割れたり欠けやすいといえます。ただ、陶器の器は磁器には出せない素朴さや雰囲気があります。
素朴な陶器が料理をより引き立てることもありますので陶器、磁器、どちらの特長も知っておくことでよりお料理が楽しくなること間違いなしです。
最近は電子レンジや食洗機も使える陶器もありますので、取り扱い方法を知ってきれいに長く使っていきましょう。

・陶器は使い始めに目止めをしましょう。

目止めはお米の研ぎ汁や小麦粉等を溶かした水(お湯)に陶器を入れてでんぷん質を陶器に入れることで色移りや臭い移りを防ぐ方法です。土鍋なんかでは最初にお粥をつくってね、と説明されている窯元もあります。

・よく乾かして食器棚しまいましょう

特に吸水性の高い陶器は濡れたまま食器棚にしまうとカビや汚れの原因となります。よく乾かして片付けるようにしましょう。

・使う前にさっと水にくぐらせましょう

ご使用の前にさっと水にくぐらせることで臭い、汚れをつきにくくすることができます。

・臭い、色の濃いものを盛り付けたあとは極力すぐ洗いましょう
陶器には独特のひびのような模様がある場合があり、使い込むことでそのひびのような模様が際立ってきます。臭い、色の濃いものはなるべくすぐ洗うようにしましょう。器を使い込み、変化していくことを「器を育てる」と表現することもあります。
※磁器でも同様のことが起こりえる場合があります

陶器見本 貫入

陶器の器の底などによくみられるひびのような模様を貫入といいます。これは陶器が焼かれた後の冷えていく過程で、陶器本体の素地と釉薬(ガラス質の部分)の収縮度の違いにより釉薬がヒビのような状態になって固まる現象です。これは器の特長となる模様で通常のひびとは異なります。また色の付いた液体を繰り返し入れることですこしずつ貫入の部分に色が入っていくことがあります。

長く大切に使うために気をつけたいこと

仕事、育児、家事等、日々のタスクに追われて一つ一つのことに時間をかけて取り組む余裕なんて中々ありませんよね。
そんな中で食洗器がすごくありがたい存在になっている方も多いかと思います。食後の後片付けの多くの工程を一手に引き受けてくれる頼もしい味方です。最近は陶器でも食洗器が使えるものも増えてきたのでついついいろんな食器を食洗器に入れてしまいがちのですが、食洗器を使う際に何点か注意していただきたいことがあります。少し気をつけるだけでトラブルなく、器を長く楽しむことができるかと思います。

・食洗器対応の器かどうかを確認する

先にも触れましたが、陶器、磁器ともに食洗器不可の器があります。ご購入の際に可否をぜひご確認ください。
それを知っているだけで、今日はちょっと忙しいから食洗器が使える器だけ料理に使うといった選択をすることができるかと思います。洗い物をなるべく一度に済ませたい時はなおさらですね。

・水圧で隣の食器と当たらないようにする

磁器に比べると欠けやすい陶器は食洗機のなかで合わせで並んでいてる磁器と食洗機の水の水圧でかちかちぶつかることで欠ける可能性が高くなります。もちろん陶器と陶器がぶつかることで欠ける可能性もありますし、金属の製品とぶつかり合うと磁器でも欠けることはあります。食洗機に入れる際は水圧で動いても隣同士ぶつからないかを確認するだけで欠けを防ぐことはできますし、きれいに長くお使いいただけるかと思います。

・乾ききっていない場合は乾かしてからにしまう

食洗器には乾燥機能が付いているものあるかと思います。ちゃんと乾ききっていない場合は残った水分がカビやシミの原因になりますので食洗器から出して乾燥させてから食器棚に戻しましょう。水滴を取ることも忘れずに。
電子レンジを使う際も陶器の中に水分が残っているとそれが原因で割れる可能性があります。洗いたてのものをレンジで使用しない、洗ったあとはしっかり乾かして食器棚にしまうようにしましょう。

最後に

陶器、磁器それぞれに特長があることをお伝えしました。いろいろな器を使い分けて料理をすることで人生がより豊かになるとおもいます。器を選ぶのも料理の醍醐味ですよね。
大事に使っているつもりでもお気に入りの器がかけたり割れたりするととってもショックです。
本来大切に扱えば何十年と使用できるのが器です。陶器、磁器の違いを理解してご使用方法に沿っていただければ長くお使いいただけるかと思います。今回のお話が少しでもお役に立つと幸いです。みなさんもお気に入りの器を大切に育ててくださいね。
OQRUSTOREでもたくさん器を取り揃えております。是非一度ショップの方もご覧ください。

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Nakamuraのアバター Nakamura バイヤー・ライター

二児の父親です。滋賀って本当にいい所で、面白い場所、素敵な店、オススメしたい商品、楽しい人々・・・たくさんあります!
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