『この記事は20~40代で、寝言を発してしまうことが気になる方へ向けたものです』
※小さいお子さんやご老人が寝言を発するケースは多いですが、この記事では一切触れていません。
皆さんは多少なりとも寝ている時に寝言をしゃべったことはあると思います。
日本人のうち、約67%のひとが経験があるそうです。
ですが寝言をしゃべる頻度自体はそんなに多くはないはずです。
それに、おおよその人の寝言は、「むにゃむにゃ」といったイメージの、口調がはっきりしない曖昧なもの。
寝言の内容は夢に通ずると思いますが、夢を見ていることが多いレム睡眠のときでも、夢を見ながら寝言をしゃべるのは7~8割。
ちなみに深い眠りのノンレム睡眠での寝言は2~3割程度です。
ですが、なかには寝言が多い、寝言がはっきりとしゃべるような内容、といった方がいらっしゃいます。
それが子供であれば問題がないケースが多いんですが、大人になってもはっきりとしゃべるような寝言を発する人がいるんです。
実は私もそのなかの一人。
私は子供のころから始まり、大人になった今でも、はっきりとした声の寝言を頻繁にしゃべります。
また自分の寝言で起きる、ということも割と頻繁にあるんですが、この記事を読んでいるかたなら心当たりがあるんじゃないでしょうか?
結論から言えば、ただ寝言をはっきりしゃべっているだけであれば大丈夫なことが殆どです。
ですが、病気などが原因で寝言をしゃべっているケースもありますので、順にご説明します。
壁を向いて寝ていたときに、起きている時と同じようなトーンの声で、
「そうそう!分かるわ~!」
といって、誰かの話にはっきりとした寝言でやたらに相槌を打っていたそうです。
隣で寝ていたひとは、私が壁に向かって見えない誰かと会話をしていると思い、恐怖にかられて私をたたき起こした。
という事がありました。
寝言の原因とは
原因については医学的に全て解明されている訳ではありません。
ですが、主だった原因はあります。
- 睡眠不足
- アルコールの接種
- ストレス
と言った日々の生活習慣が原因だと言われています。
これだけ書き並べれば、「寝言=病気」のように感じますよね?
ですが、まずは安心して下さい。
睡眠・覚醒障害の診断基準で、寝言は「正常な範囲内での行動」と位置づけられています。
大声や奇声をあげたり、暴れたりなどの寝言が頻発するようでなければ、あまり心配せずに経過を見ていれば良いんです。
寝言を治すには
睡眠不足やお酒のせいだと思われる人は、夜更かしせずに早く寝ること、アルコール控えることを志してください。
日々ストレスを感じている人は、睡眠環境を整えることで寝言を改善できる可能性があります。
- お風呂をシャワーだけでなく湯舟に浸かる
- 部屋の温度や湿度を調節する
- 枕を自分に合ったものに変える
などして、眠りを深くしましょう。
その結果、寝言がなくなれば原因はハッキリしますね。
とはいえ心理的要因、その他病的要因から眠れない、アルコールがやめられない、ストレスを感じ続けるといった方もいらっしゃいます。そいうった場合、まずは心療内科を受診しましょう。
病気が原因で寝言をしゃべるケース
寝言の原因として、日々の生活習慣以外にも明確な病気が原因となっているケースがあります。
寝言を伴い、大人がかかる病気として代表的なものをご説明します。
睡眠時無呼吸症候群
中高年に多い「睡眠時無呼吸症候群」でも、寝言をしゃべる場合があります。
この寝言では、はっきりと喋るといったことはあまりなく、殆どがうめき声。
寝言に加えてイビキや呼吸停止が見られる場合は、この病気の可能性があります。
レム睡眠行動障害
夢の中での動きをそのまま現実世界でもやってしまうという病気です。
この病気での寝言は、はっきりとしゃべることが多くみられます。
また、腕をあげてごそごそしたり、殴る、蹴るなど暴れたりといった激しい動きがあります。
この病気が発症したかたは、アルツハイマー型認知症に次いで多いレビー小体型認知症や
パーキンソン病などにもなりやすいと言われています。
レム睡眠行動障害と診断されたときには、医療機関で継続して診てもらいましょう。
睡眠時てんかん
睡眠中にてんかんの発作が起きる症状を睡眠時てんかんと言います。
この症状でもはっきりとしゃべる寝言を発する場合があります。
てんかん特有のけんれんの様な動きと寝言を併発していれば、睡眠時てんかんが疑われます。
ですが、睡眠てんかんの発作中には、けいれんだけでなく、足で壁を強く蹴ったり、壁に頭を激しくぶつけたり、
部屋を徘徊するといった症状もあります。
家族性要因
血縁関係にある家族に、同じく寝言をしゃべる方がいらっしゃる場合があります。
家族にいるから、と安心はできません。
こころの病気と合併して発症することが多く確認されているので、注意が必要です。
まとめ
以上のように、寝言には何らしかの要因があります。
大人が寝言ではっきりとしゃべる、ということに心配にはなりますが、基本的にはさほど心配することはありません。
ですが下記のような場合には専門機関での受診をしましょう!
【危険なサイン】
■寝言が大声、奇声、怒鳴る
■寝ながら体を激しく動かす、起きているかのように動く(寝言がなくても)
■うなされることが多い、悪夢をよく見る
この様な場合には大きな病気、もしくは多大な精神的ストレスを抱えている場合があります。
早めに睡眠クリニックか内科を受診しましょう。
明らかに精神的なものであれば、精神科や心療内科ですが、原因が不明な場合はとりあえず内科でOKです。
ちなみに私も一時期悩んでいましたが、病気もなく、健康に過ごしています。
それでも、体と心の健康を保つために質の良い睡眠をとるよう心掛けているんです。
おすすめは寝る前にホットミルクを飲むこと。
牛乳には睡眠ホルモンを作るのに役立つトリプトファンという成分が含まれているためです。
寝る前に飲むと、とても安心して眠ることができますよ。
【参考文献】
・前田呼吸器科クリニックHP
http://www.maeda4159.net/modules/rem.html
・旭川医科大学 学術成果リポジトリ
https://amcor.asahikawa-med.ac.jp/modules/xoonips/download.php/2012009270.pdf?file_id=6323
・医療法人 陽明会 樋口病院
(レム睡眠行動異常症とパーキンソン病の密接な関係)
https://higuchi-hospital.com/column/466/
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