滋賀県甲賀市水口町【花屋かずろう王国】お客さんとのコミュニケーションを第一とする、アットホームなお花屋さん

滋賀県甲賀市水口町。
古くは伊勢神宮参拝の宿場としてひらけ、江戸時代からは東海道の宿場町としてにぎわいをみせた町です。
東海道水口宿の西側には昭和に復元された水口城があり、資料館では当時の歴史を肌で感じることができます。

そんな水口城を目と鼻の先にした街道沿いに、同じく歴史を感じる古民家で開かれているのは一軒のお花屋さん。

お店の名前は「花屋かずろう王国

なかに入れば、
「いらっしゃい!」
と、かしこまらない挨拶で迎えてくれるアットホームなお店です。

笑顔でお出迎えしてくれた、お店を経営する中村一弘(かずろう)さん、智子さんご夫婦にお話しをお聞きしてきました。

目次

お花屋さんを目指すきっかけ

中村一弘(かずろう)さん、智子さんご夫婦

店主の一弘(かずろう)さんは、お花屋さんの他にもバンド活動やラジオDJなど、活躍の幅がとても広いかたです。

バンドマンがお花に興味がない、というのは乱暴なイメージかもしれませんが、
やはりというか、若い頃はそこまでお花に興味はなかったようです。

転機が訪れたのは19歳のとき。
妹さんの誕生日プレゼントにフラワーアレンジメントを買うことになりました。
智子さんとお花屋さんへ行った際、

「こうしたらもっと良いアレンジになるんじゃないか?」
「もっと良いサービスになるんじゃないか?」

という想いを抱くことがあり、このとき開業の火種が生まれたのでした。
まず進んだ道は一般企業への就職でしたが、東京で数年間の社会人経験を積まれたのち、本格的にお花屋さんを目指し始めます。

修行の場として選んだのは、東京都国立市で出会ったとある生花の卸売り市場。
基本的な仕事はお花を運ぶことでしたが、卸売り市場なだけあって多種多様なお花に触れることができました。
また、仕事仲間であったパートの方々も色々な知識を教えてくれたそうです。

かずろうさんは卸売り市場で、智子さんは別のお花屋さんで修行をし、
数年でおおよそのお花の知識を得ることができたそうです。

27歳のときに滋賀に戻り、ご結婚。
そしてその年の12月26日に、花屋かずろう王国を開店しました。

お花屋さんのお仕事とは

お花屋さんの仕事と聞くと、どのようなものを想像するでしょうか?
私のもつイメージは、華やかで可愛いお仕事、といったイメージ。
ですが実際は過酷なお仕事のようです。

生き物を扱うのですから、花のお世話が大変。
力仕事も多いですし、配達や事務などもあります。多忙です。
ですから、どうしても接客に力を入れきれないという現実があるようですね。

中村さんご夫妻は「お客さんとのコミュニケーションが取れるお店を作りたい!」
という想いを抱いてお店を作り、それはいまでも変わっていません。

前述の通り、お花屋さんは業務が多く、なかなか接客ばかりに尽力し辛いもの。
それが良い、悪いという話ではありません。
ですが、これほどお客さんと店員さんの距離が近く、コミュニケーションが密なお店はそうはないんじゃないでしょうか。

アットホームな雰囲気で、気さくにお客さんのお話を聞いてくれます。
コミュニケーションは店員とお客だけでは収まらず、知らないお客様さん同士が談笑していることすらあります。

ただお花を買うだけではなく、ひとたびお店に立ちよれば交流が生まれ、人と人が出会えるお店なんです。

作り置きをせずお客さん一人一人のお花を作る

花屋かずろう王国には、作り置きのフラワーアレンジメントはありません。
効率が決して良くないことは素人の私にでも分かります。
では、なぜそうするのでしょうか。

前述のとおり、花屋かずろう王国は古い街並みのなかにあります。
空き家も多く、一人暮らしのご老人も多い街です。

お客さんもご老人ばかりと思いきや、女子高生がフラっと一人でお花を買いにくるような、
世代間の隔たりが薄い、古き良き街だそうです。

老若男女が訪れるお店で、お客さんみんなが「この店に来てよかった!」と思えるにはきっかけが必要となります。
花屋かずろう王国ではそのきっかけが、お客さん一人一人に合わせ花を作るということ。

年齢、性別、受け取るひとの雰囲気など。
受け取るひとが変われば、フラワーアレンジメントもまた形を変えます。

作り置きをせず、お客さんに細かく対応することで、この水口町という街で必要とされるお店になっているんです。

気軽な贈り物にお花を

誕生日、母の日からお供えなど、様々な贈り物で使われるお花。
かずろうさんは、贈り物はそんなかしこまったものだけでなく、もっと気軽なものでもいいと語ります。

例えば手土産。
手土産にはお菓子、お酒、フルーツなど、食べ物を選ぶことが多いですよね。
季節を感じられるお花のブーケなんかをサっと渡せるようになれば、カッコいいなあと思います。

お花に詳しくないからとか、男だから恥ずかしいというかた。
大切な人に合う前に、お呼ばれされたお家に行く前に、とりあえず花屋かずろう王国に寄ってみてください。
お店を出るときにはステキなお花を、ホクホク顔で手に持っていますよ。

自然体なお店

かずろうさんは前述のとおりバンド、ラジオDJの活動にくわえ、更にはカルチャースクールも運営されています。

「なぜ、それほどまでに精力的に動けるのか?」と、その疑問を投げかけてみました。

かずろうさんは「これらの活動は増やそうとして増えたのではなく、思うがままに、自分のしたいことをただやっているだけ」と、にこやかに語ります。

大義名分を掲げ、行動理念を他者にゆだねるのではなくて、自分がやりたいからやる。
自分を取り繕っていないからこそ、本当に自分がやりたいことがクリアになり、迷いがなくなるんでしょうね。
そんな自然体のかずろうさん、そして長年連れそっている智子さん。
このお二人がいるお店もまた、自然体であることがよく分かります。

お花というものはエネルギーがあるもの。
お花屋さんは、私たちにそのエネルギーを伝える媒体となってくれる存在です。
自然体なお花屋さんだからこそ、お花の持つエネルギーをフィルターにかけず、純度100%で伝えてくれるのだと思います。

お花を買うということを、ただの行為で終わらせず、お花に触れることでそのエネルギーを感じさせてくれるお花屋さん。
そんなお店でお花に触れれば、私たちの生活もよりエネルギーに溢れたものになるのではないでしょうか。

お店の詳細情報

店名 花屋かずろう王国  (運営会社:有限会社三瀧商店)
創業1992年
営業時間9:00~19:00
休業日月曜日午後から火曜日全日
所在地528-0027 滋賀県甲賀市水口町城内8-15
TEL / FAXTEL: 0748-62-8741  FAX:0748-62-8792
ホームページ花屋かずろう王国:https://mitaki.jp/flowers/index.html
(有)三瀧商店:http://www.mitaki.jp/pg16.html
ECショップ王様花屋:https://k-kingflowers.myshopify.com/
SNSinstagram:https://www.instagram.com/k_kingflowers/
twitter:https://mobile.twitter.com/kazuroo

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この記事を書いた人

KUBOのアバター KUBO バイヤー/メディア担当

OQRU STOREのバイヤー兼、メディア担当兼、バッグ職人。
2022年8月から入社したフレッシュな新入社員(おじさん)
使うと味のでるものや、妙に細かいところをこだわった商品が好き。
欲しいものはだいたい高い。

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