麻についてサクッと説明
麻の種類
麻と聞いて思い浮かぶものって、なんでしょう?
高級な布。
甚平などに使うシャリっとした涼しい生地
麻紐やコーヒーの麻袋などはゴワゴワした強い繊維。
大麻に関しては名前に麻がついているからそれも麻だろう。
こんな感じのイメージだと思います。
実はどれも「麻」で正解です。
麻とは「植物から採取される繊維の総称」なので幹や茎や葉脈から取れる繊維は日本での呼び方は全て「麻」と呼ばれています。
ただし、服やタオルにしたときに繊維表示として麻と表示できる繊維は「リネン(亜麻)」と「ラミー(苧麻)」の2種類のみです。
国際的にはそれぞれの繊維にした植物それぞれの名称で言うので「麻」みたいに一括りにする言葉はなく「麻」はあくまで日本固有の表現となります。
麻の大まかの種類は
リネン(亜麻)…服、シーツ
ラミー(苧麻)…服、甚平
ヘンプ(大麻)…しめ縄、服(麺と組み合わされることが多い)
ジュート(黄麻)…麻袋
マニラ麻(アバカ)…ロープ
サイザル麻(ヘネケン)…カーペット
大まかに言ってもこれだけの種類はがあり、糸を作るときや布地にする際の加工によって変わりますが、上から柔らかい順で高級と思ってもらえればほぼ間違い無いです。
そして日本古来「ヘンプ(大麻)」を麻と呼んでおり、後に「ラミー(苧麻)」も使われるようになりました。
「リネン(亜麻)」は欧州の方では一番歴史が古く、日本には明治時代に入ってきたと言われています。
リネンとハウスリネン
もうこれだけで麻ってややこしいのですが、さらにややこしくしているのがリネンという言葉。
リネンは先ほどから説明しているとおり、麻の一種で「リネン(亜麻)」から取れる繊維のことを意味しますが、綿や麻という原料からできている枕カバー、ベッドカバー、シーツ、バスタオル、フェイスタオル、バスマットなどの寝具やタオルをハウスリネンと呼んでいます。なのでリネン=ベット周りの布地のことをリネンという言い方も間違いではないのだけれど、麻のリネンはと違うということは覚えておいてほしいです。
滋賀の麻ブランド
次にもうひとつややこしいのが、滋賀の東近江の麻のブランドが3つあります。
詳しくは書くと読んでくれている人の頭がこんがりそうなので、麻の種類だけで分けると下のようになります。
滋賀、東近江の麻ブランド
近江の麻…リネン(亜麻)、ラミー(苧麻)
近江ちぢみ…リネン(亜麻)、ラミー(苧麻)、ヘンプ(大麻)
近江上布…ラミー(苧麻)、ヘンプ(大麻)
ざっと麻について言葉で説明しました。お分かりになったと思うのですが、最初のイメージで高級な布とイメージしたのは「リネン」で、シャリ感があるのが「ラミー」「ヘンプ」、それ以外は布にするというよりは道具に使う強い繊維という区分けになります。
麻の種類の表
麻の種類を表にまとめてみました。
麻の種類 | 主な産地 | 主な特徴 | 日本の呼び方 | 日本の繊維表示 | 滋賀の麻ブランド |
リネン(亜麻) | 欧州 | ソフト、チクチクしない、抗菌性 | 麻 | 麻 | 近江の麻、近江ちぢみ |
ラミー(苧麻) | 中国、ブラジル | シャリ感、強い | 近江の麻、近江ちぢみ、近江上布 | ||
ヘンプ(大麻) | 中央アジア | もっとシャリ感、涼しい | 植物繊維 | 近江ちぢみ、近江上布 | |
ジュート(黄麻) | インド | 丈夫・通気性が高い・保温性 | |||
マニラ麻(アバカ) | フィリピン | 繊維は強靭でしかも軽く、耐湿力 | |||
サイザル麻(ヘネケン) | アフリカ・中南米 | 強い、ハリ、コシがある |
コメント