オクルストアで取り扱う、バッグブランド 「shinateru(シナテル)」
これはオクルストアが始まる何年も前から始まったブランドです。
男2人で企画から製作までおこなっていて、このコラムを書いている私も、
バイヤー兼、メディア担当兼、バッグ職人をさせてもらっています。
初期からトートバッグを作り続けてきましたが、
先日ふと、「トートバッグって何なんだろう?」と思うことがありました。
もちろん、バッグを作っている者としてトートの定義や機構を知っているつもりではいます。
本当に知っているのか、はたまた知ったかぶりなのか、その真偽を確かめるために、少し勉強をしてみました。
トートバッグの語源

トートバッグは英語で「tote bag」と書きます。
「tote」とは、アメリカの俗語で「運ぶ」とか「背負う」という意味。
その昔、アメリカに移ったアフリカの人が、
- コンゴ語の「tota」(持ち上げる)
- スワヒリ語の「tuta」(運ぶ)
という言葉を広めたことが始まりだとされています。
17世紀にはいって「tote」が「運ぶ」という意味の動詞として使われはじめ、
1900年代に入ってから、「トートバッグ」という言葉が生まれたようです。
トートバッグの歴史

トートバッグは、当初は労働者が業務用のものを運ぶ袋を差す言葉でした。
1944年、アメリカの有名アウトドアブランド「L・L・Bean」が、氷のブロックを運ぶための頑丈なバッグを開発
したことから、トートバッグの歴史が動きはじめます。
「トートバッグ」x「L・L・Bean」と聞けばそんな大げさに聞こえる話でも、
何だか納得がいくというかたもいらっしゃるんじゃないでしょうか?
大人気のメーカーですよね。良い商品を作られています。
1944年当時といえば大戦末期。
冷蔵庫そのものは既に世のなかにありましたが、まだ広く普及はしていませんでした。
L・L・Beanが生まれた、アメリカ:メイン州はアメリカ領土北東の端のはし。
厳しい冬の環境下では湖も凍ってしまいます。
ですが当時の人たちはそんな環境を逆手に取り、凍った水を冬の間に切り出しておいて、貯氷庫で保存していました。
そして夏になると、食料の保存などのために小さく切り出して売っていたようです。
氷のブロックって、大きさにもよりますが重いですよね。
重い氷を運ぶには、それ相応の丈夫な入れ物が必要です。
そこで考案されたのが、開口部が大きい、頑丈なキャンバス地のバッグだったのです。
このバッグが発売された際のメーカーカタログには「Bean’s Ice Carrier」(氷を運ぶバッグ)と記載されていたようです。
【当時のトートバッグの丈夫さについて】
当時のバッグは24オンス、おおよそ6号帆布くらいの厚さでした。
身の回りのものでいうと、一般的なデニムパンツの倍くらいの厚みです。
これだけ厚いので、頑丈なうえ、バッグの中で多少氷が溶けても漏れることがなかったようです。
これが今のL・L・Beanのトートバッグの原型となりました。、
1950年代になるとカラーバリエーションも増え、1960年代からはファッションアイテムとしても普及していきました。
トートバッグの定義

こんなことを言うと身もふたもないのですが、トートバッグに明確な定義はないようです。
しいて言えば、認知されているカタチは「持ち手が2本ある袋状のもの」ただそれだけです。
ファスナーがついているとトートじゃないとか、
四角くなければトートじゃないとか聞いたことがありますが、そんなことは全くなかったんですね。
・・・だいだいのバッグがトートに分類される気がしてきました。
おそらく定義はなくとも、持ち手が2本あることに加え、開口部が大きいということ、
シンプルであることが共通の認識であり、みなさんが求めているものなのだと思います。
トートバッグの現在

当時、一般的にトートバッグといえばキャンバス生地(帆布)を差していましたが、
ファッション性が高まるにつれ、レザー、ナイロンに和紙など、ありとあらゆる素材が使われるようになっていきました。
また同じキャンバス生地(帆布)でも、特殊な加工がされていたりと素材に関する技術は革新し続けています。
また、変わったのは素材だけではありません。
氷を運ぶバッグがファッションアイテムになり、雑誌の付録や企業のノベルティなどの広告に使われるようになり、
いまや多くの人が持つエコバッグにもなり。
時代に合わせ、形やデザイン、その用途や、社会のなかでの立ち位置も変化してきました。
日本でトートバッグが流行り始めたのは1990年頃からと、比較的最近のことです。
ですが、いまやバッグ界の重鎮というほどの確固たる地位を確立しています。
シンプルさ故、多くの人に愛されたからなのでしょうね。
結果、トートバッグについては勉強不足でした!
が、今回学んだことがこれからの商品づくりに活かされるものと信じています。

高島帆布トートバッグ Sサイズ
8,250円 (税込)

高島帆布トートバッグ Mサイズ
11,000円 (税込)
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